《古事記物語》

火遠理命

別名:日子穂穂出見命 · 所属:日向 · 身分:日子番能邇邇芸命と木色咲耶媛の子 · 初登場:笠沙のお宮

日子番能邇邇芸命と木色咲耶媛の子として、火遠理命は火照命、火須勢理命に続いて生まれた。兄の火照命は海で漁をし、末の弟の火遠理命は山で猟をした。あるとき、二人は猟の道具を取り替えたが、火遠理命は海で火照命の釣り針をなくしてしまった。

釣り針を探しに海へ出た火遠理命は、海の宮で豊玉媛を妻に迎え、三年を過ごした。海の神から釣り針と二つの玉を受け取り、わにに浜まで送り届けられて帰ると、火照命は三年の間に貧しくなっていた。火遠理命が玉の力で兄を追い詰めると、火照命は〈私はこれからしょうがい、夜昼おまえのうちの番をして、おまえに奉公するから」と、かたくお誓いになりました。〉

やがて豊玉媛は鵜茅草葺不合命を産み、火遠理命と別れて海へ帰った。火遠理命は高千穂の宮に住み、〈とうとう五百八十のお年まで〉過ごした。

関係の記録

生涯の出来事

  • 木色咲耶媛が火照命、火須勢理命、火遠理命を生んだ。(笠沙のお宮)
  • 火照命と火遠理命が猟の道具を取り替えた(満潮の玉、干潮の玉・その一)
    • 同席:火照命
    • 〈とうとうしまいに、いやいやながらお取りかえになりました。〉
  • 火遠理命が火照命の釣り針を海に落とした(満潮の玉、干潮の玉・その一 · 📍 海)
    • 同席:火照命
    • 〈しまいにはつり針を海の中へなくしておしまいになりました。〉
  • 塩椎神が火遠理命を船に乗せ、海へ送り出した(満潮の玉、干潮の玉・その一)
    • 同席:綿津見神
    • 〈その中へ火遠理命をお乗せ申しました。〉
  • 火遠理命は豊玉媛を妻に迎えた。(満潮の玉、干潮の玉・その二)
    • 同席:豊玉媛
    • 〈そして豊玉媛をお嫁にさしあげました。〉
  • 火遠理命は海の宮で三年を過ごした。(満潮の玉、干潮の玉・その二)
    • 〈そのうちに、いつのまにか三年という月日がたちました。〉
  • 火遠理命は海の神から釣り針と二つの玉を受け取った。(満潮の玉、干潮の玉・その二)
    • 〈こう言って、そのたいせつな二つの玉を命にさしあげました。〉
  • 火遠理命は海の神の使いのわにに浜まで送られた。(満潮の玉、干潮の玉・その二)
    • 〈すると、わにはうけあったとおりに、一日のうちに命をもとの浜までおつれ申しました。〉
  • 火照命は貧乏になった。(満潮の玉、干潮の玉・その二)
    • 同席:火照命
    • 〈おあにいさまは、三年の間にすっかり貧乏になっておしまいになりました。〉
  • 火照命は生涯火遠理命に奉公すると誓った。(満潮の玉、干潮の玉・その二)
    • 同席:火照命
    • 〈私はこれからしょうがい、夜昼おまえのうちの番をして、おまえに奉公するから」と、かたくお誓いになりました。〉
  • 豊玉媛は鵜茅草葺不合命を産み、火遠理命と別れて海へ帰った。(満潮の玉、干潮の玉・その二)
  • 火遠理命は高千穂の宮に住んだ。(満潮の玉、干潮の玉・その二 · 📍 高千穂の宮)
    • 〈命は高千穂の宮というお宮に、とうとう五百八十のお年までお住まいになりました。〉

笠沙のお宮

  • 親:日子番能邇邇芸命 〈それから、つぎつぎに、火須勢理命、火遠理命というお二方がお生まれになりました。〉
  • 親:木色咲耶媛 〈それから、つぎつぎに、火須勢理命、火遠理命というお二方がお生まれになりました。〉

満潮の玉、干潮の玉・その一

  • 火照命と兄弟 〈その中でおあにいさまの火照命は、海でりょうをなさるのがたいへんおじょうずで、いつもいろんな大きな魚や小さな魚をたくさんつってお帰りになりました。末の弟さまの火遠理命は、これはまた、山でりょうをなさるのがそれはそれはお得意で、しじゅういろんな鳥や獣をどっさりとってお帰りになりました。〉

満潮の玉、干潮の玉・その二

  • 豊玉媛と夫婦 〈そして豊玉媛をお嫁にさしあげました。〉
  • 後見人:綿津見神(助言と守護を与える。) 〈おあにいさまは針のことでずいぶんあなたをおいじめになりましたから、これからはおあにいさまの田へはちっとも水をあげないで、あなたの田にばかりどっさり入れておあげ申します。〉
  • 火照命と兄弟 〈おあにいさまも、しまいには弟さまの命にはとてもかなわないとお思いになり、とうとう頭をさげて、〉
  • 子:鵜茅草葺不合命 〈お二人の中のお子さまは、うの羽根の屋根がふきおえないうちにお生まれになったので、それから取って、鵜茅草葺不合命とお呼びになりました。〉
  • 想いを寄せる人:豊玉媛 〈媛は夫の命が自分のひどい姿をおのぞきになったことは、いつまでたっても恨めしくてたまりませんでしたけれど、それでも命のことはやっぱり恋しくおしたわしくて、かたときもお忘れになることができませんでした。〉
  • 火照命と敵対 〈するとおあにいさまは、あんのじょう、命のことをねたんで、いくどとなく殺しにおいでになりました。〉

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